2011年11月8日火曜日

JC世界大会   


JC,青年会議所の世界大会が神戸であった。

 神戸JCとしては二度とないと思われるビッグイベント。
日本で開催されるのが何年かに1回なのにそれが神戸にまわってくる機会はもうないかもしれない。

 世界大会は毎年1回、世界のJC幹部がある都市に集まり色々な活動の発表や今後についての会議・ミーティングを開くもの。参加者は全体で延べ2万人(海外1万・国内1万)1週間位の日程であったと記憶しているが、その前後1週間位は観光も兼ねてこの世界大会を目指してメンバーが集結する。経済効果もハンパじゃない。宿泊者だけでも毎日2000名を下らない。そしてメンバーは言い方は悪いがお金持ちの2世クラス、いわゆる「金に糸目はつけない」連中が多いのだ。ただし、発展途上国からの参加者もあり、すべてがハイクラスというわけでもないらしいが。

 神戸JCの入れ込みようは大変なものがあった。
大会自体の運営はともかく周辺の行事の企画、それに使う資金の手配も重要だ。運営費用はメンバーの参加費と寄付金で賄われる。彼らにとってスポンサー集めが最重要課題でもあった。

 そのJC世界大会のスポンサー依頼が当社にもきた。
しかも殆どメインスポンサーに近い以来内容だった。寄付金ではなく期間中の食事一切を提供してほしいというもので、現物供与になる。しかし会場のセッティングからサービスまで一切込。会場での広告その他は自由だから費用は広告費で落とすことは出来るが、総費用は勿論、食事の内容、その運営が可能か否かがポイントだった。その前に社長がOKするか? 神戸での名声アップには格好の機会ではあるが、社長も「金持ちのボンボンの・・・?」と思っているはず。

 内容的に昼食1000円、夕食2000円程度のものをMax2000食、1日600万円分、1週間で4200万円もかかる。現物供与なので原価ベースで2000万円位か? 
質を落とせばもっと安価に出来るだろうが、会場セッティング費用も人材も必要だ。総経費がいくらで、その効果はどのようなものか?雲をつかむような話でエイヤァーでせざるを得ない。
どのような社長への申請文を書いたか忘れてしまったが、とにかく社長のOKをとりつけ後はグループ内の飲食部門との調整だ。短期のイベントは儲からないのが定説、嫌がる連中を「社長命令」で乗り切った。多分かなりの赤字になったのではなかろうか? 

 神戸市の見本市会場を食堂にセッティング、厨房を作り、ブッフェスタイルで食事を提供する。
セルフとはいえサービス要員もいる。しかも相手の半数は外国人。 前代未聞の展開だった。一番困ったのは参加者は参加申込すれば食事券が付いてくる。食べるか否かは彼らの勝手、作りすぎても困るが、不足はもっと困る。この食数の読みが難しいというか最後まで出来なかった。午前中のイベントのメイン会場が食堂の近くだとお昼にはドッと押し寄せる。人気のないイベントしかない時は食堂はガラガラ。締めてみれば毎日1000食位しかでていなかった。だから最終的には2000万円以内で収まったはず。

しかし、この1週間は生きた心地がしなかった。ヒヤヒヤの連続だったように思う。
  終わってみれば、神戸での当社のポゾションは確実に上がっていたように思う。
会う人、会う人に「大変でしたね」「よくあそこまで・・・」と関心されたものだ。

金を出すときは出すダイエーといった良いイメージが植え付けられた。






2011年11月7日月曜日

M & A

 M&Aと言えば今は一般的になってきているが当時はその言葉が経済紙にのる程度で実際にはどのようなものか余り知れ渡っていなかったと思う。
 M&Aは企業買収の手法だから財務の問題、本店には関係ないと思っていたら実際は主たる事務所たる本店が担当すべき問題とのこと。主たる事務所と法律上の本店のギャップがまた出た。

 常務に呼ばれてM&Aの担当を突然命じられた。
関係先の窓口になれという。つまり、例のごとく名目上の本店だから問い合わせがないとも限らない。業務としては詳しいことは担当部署にと振るだけのことだが、ある程度は知識がないといけない。付け焼刃で勉強した。何せ、話を聞いてから実行まで1週間もないのだ。M&Aとはそんなものらしい。そして実行までは極秘扱い。例によって家族にも話すなだ。 これはインサイダー取引になるから法律違反なのだ。 

 具体的には当時問題になっていた㈱秀和の忠実屋株の買い占め問題、なぜ秀和がスーパーの忠実屋の株式を買い占めたのかは未だに不明だが、とにかく秀和は買い占めたものの処分出来ず困っていたと思われる。その株式を全て(総額2000億だったと思う)引き取ろうというのがM&Aの目的、市場外でオープンな型で株を取得するには最適の手法だ。後から聞くと、秀和に資金提供していたのはアメリカの金融機関で秀和がパンクするとその会社も危なくなり、ひいては日米関係にというレベルの話だったとか!

 M&Aは株式を取得したい会社の株主に対して価格を決めて公表、一括購入する。
ここで問題はその計画全体と購入価格、これらの情報がもれて株の売買に使われたら大問題、しかもそれが内部の人間であればインサイダー取引になり御用となる。だから、秘密は絶対守らねばならない。誰にも言うなと言われて守るのは意外とツライものがあった。その間1週間ほどニュースは秀和のことを取り上げているし、と言って話題にも出来ない。実行日まで株価の変動がないことを祈った。

 結局は株価は落ち着いたままで問合せもなく、実行日がきて期間内に秀和からも応募があり、一件落着。しかも秀和からしか応募がなく、何のためのM&Aなのか、公示費用(新聞全紙に全国全面広告した)がかかっただけのような感じ。
オープンにして忠実屋の株式を入手しただけの話。

 こうして忠実屋はダイエーグループの企業になり、最終的には合併した。
当社としては忠実屋が地盤とする関東圏に店舗が確保されたことになっているが、実際は不振店舗が多く、最終的にはお荷物となったようだ。
パチンコ事業や印刷業等の関連会社もついてきてつぶすわけにもいかず、パチンコ屋まですることになった。これが後々厄介なことになるとは!








2011年11月6日日曜日

脅 迫 事 件   


 本店勤務の10年余りの間に数回の脅迫事件に遭遇した。

 全て金目当ての事件で、毒物を店の売場にまくといった流通業者の弱みに付け込んだ卑劣なものだったが、全て大事になる前に解決出来た。

 一つは一本の電話から始まった。
最初は具体性のない売場に毒物をばらまくぞと言った脅迫電話があり、そのような脅しはまぁあることなので放置はしないまでも取り合わなかった。2度3度と同じような電話があり、総務と協議し警察に通報することになった。所轄の兵庫県警港湾署に通報すると兵庫県警の専門部隊が乗り込んできてくれた。会議室を専用の部屋に設置、各種捜査機器がが持込まれ(なぜか機器類には座布団を敷く。雑音防止の為か?)専任の警官が数名常駐、TVドラマのような体制になった。外部へ漏れることを恐れて私ともう一人の担当者が専任、全ての仕事はストップ。電話の前で一日中はりつけられた。   毎日1回は犯人から電話がある。最初は具体性が全くなく「毒をまくから金を出せ」いったいそれでどうしろと言うのかそれ以上は言わない。金が幾ら欲しいのか?その受け渡しは? ひょっとしたら愉快犯かも? その間、警察では犯人像を少ない情報から割出そうと色々と分析していたようだ。4,5日がたった時やっと具体的要求があった「20億用意しろ」と。これで警察は犯人が素人と割り出した。知らなかったが1億円で紙袋一つになり20億円となると紙袋20個になり一人では運搬不可能だからだ。警察の指示通りその旨を次の電話で伝えると4億で良いという。これで警察は動き出した。そのストーリー通り犯人逮捕へ向けて動き出した。 犯人の要求通りに金(勿論新聞紙)を用意し、受け渡しの場所に持っていき犯人の現れるのを待った。問題は神戸で発生し兵庫県警が動いていたのに犯人は受渡し場所に大阪を指定。府県が異なるので大阪府警にその旨申請しないと逮捕出来ないということ。緊急を要したので、担当課長が府警に電話で仁義を切り逮捕に向かう。警察の世界もややこしい)犯人は現れなかったが受け渡し場所を中心に捜査網を引き挙動不審者を調べていくと最終的には犯人が捕まった。1件落着。マスコミにも漏れず、内々で処理できて万々歳だった。
 この間約1週間、この件は誰にも喋るなと言われ本店内でも警察が来て何か事件とはわかっても脅迫事件とはだれも知らなかった。

 もうひとつ、これは最終的には新聞沙汰にはなったが、犯人が台湾まで逃げた事件があった。これは東京の本社がらみではあったが、本店の常務が担当した。詳細はいまだに分からないが、常務から何日か不在になる「不在であることも何をしているかも一切言うな」との指示、その間の職務代行をまかされた。事実上、業務はストップ。何もすることはなかったが、常務を訪ねてくる人や電話、社内の人間をも騙さないといけない。10日ほど解決までにかかったがその間非常に苦労したのを覚えている。

 脅迫事件で何が困るかと言えば、表ざたになった場合に店の営業に多大な影響をあたかねないこと、毒物混入は食品を扱う我々にとって計り知れない影響があるのだ。毒物より爆発物の方がましなくらいだ。毒物は死に至るような劇薬でなくても大腸菌でも困るのだ。特にスーパー事業だけでなく、飲食チェーンもしているので大正店舗は千店を超える。今のようにコンビニまでやっているともっと大変だ。
 
 基本方針は「絶対に金は出さない」これを犯人が知っていたら、又一度も成功した事例がないことも知っていてほしい。捕まるだけソンですよ。
 大企業になるとこの手の事件は有名税かもしれないが、いいかげんにしてほしい。

2011年11月5日土曜日

Spring-8   

 Spring-8の運営財団への出資(寄付)
姫路の山奥に「Spring-8」という世界最高レベルの実験施設がある。
何せ物理学の世界で内容はうまく説明できないが、分子の分裂や融合といった素人にはわからない世界的にも屈指の巨大な施設。何でも分析できる装置で犯罪捜査にも活用できるらしい。
これを日本のどこに作るかで各地方が熾烈な誘致活動をした。
当社も兵庫県の要請を受けて何かと活動した。結果、姫路の山中に決まった。
そこまでは良かったが工事も進み完成も来年といった時点で運営をする組織を作るという。国は施設を造るまでで、その運用は民間・地元に運営する財団を作り運営するとのこと。その運営の出資金は経済団体と地元が負担するとのこと。これは誘致の条件だという。トップにしか知らされていなかった事項かも?
当社として困ったのは各種団体からガンジガラメになっていたこと。
出資は免れない。 
このプロジェクトは中央では経団連、関西では関経連、神戸では神戸商工会議所が後押ししていた。当時、社長は経団連の副会長、関経連でも役員をしていたし、神戸商工会議所の副会頭。 色々な経済団体から奉加帳がまわってくるくる。 
その時、初めて知ったのだが経団連には寄付の法則があって、該当プロジェクトに正副会長会議で決まりGOサインが出たら、会長企業は必要資金(寄付etc.)の何%、副会長ならいくらと決まっているのだ。
経団連は担当ではないが、社内的には神戸が担当することに。
予算はないし、社長からは「値切れ」の指示。なにせ要請された出資額は1億円と高額。
なんとか調整(値切り)しようとやってみたが、経団連事務局は強気だ。「寄付が出来ないなら最初から副会長にならなければ良いのに・・・」とまで言う。就任条件にきちんと書いてあることらしい。
しかし、経団連事務局には物わかりのよい人もいた。
1億円は毎年1000万円を10年にわたり分割して出資するもの、半額には出来ないが5年間は出資し6年目以降、請求はしないという条件を出してきた。素晴らしい案、対外的にはメンツは保てるし、半額の5000万円の出資ですむ。何という救済策、直ぐに飛びついたのは言うまでもない。
ひょっとしたらこんなことショッチュウあるのかも?
しかし、財界活動という旦那のお付合いというのは金のかかるものだ。

2011年11月4日金曜日

株主対応   

  企業の本店としての主たる業務に「株主対応」がある。

 法律上、本店とは主たる事務所ということになっているので当然の業務だ。

 ダイエーの本店事務所は神戸だが、それは法律上、名目上で主たる事務所は東京にある。
そのことを大概の株主さんはご存じだが中には知らない株主さんもおられるし、又そのことを知っていてワザと神戸にやってくる株主さんもいらっしゃる。株主の権利は持ち株数によって異なるが、例え千株の株主さんでも株主さん。対応はキチントしなければならない。

 株主さんと言っても色々あって、我々が困るのは「特殊株主」さん、昔風に言うと「総会屋」。それと他意はないがマニアックな株主さんの2種類だ。

 私が担当した時代、いわゆる総会屋さんは少なくなってきている時代で総会を混ぜ返して金にしようとする連中は極稀だった。
しかし、マニアックな株主さんはいなくならない。全く合法的で排除する理由がないからだ。
彼らは、突然現れる。何のアポもなしに「株主の○○だが・・・」と本店を訪ねてくる。
  本来なら「ホンマに○○さんですか?」と確認しないといけないのだが、彼らは「オレは株主、一社員がそんなこと聞くな! 失礼な!」と思っている。一応株主名簿を確認はするが来られている方がその○○さんか否かは調べようもない。
 彼らは「あれを見せろ、これはどのようになっている?」と資料を要求する。株数によってその権利が制限されているのでお断りしても良いのだが、波風の立たないようにしないといけない。よほどのことがない限り閲覧して頂く。
ひどい人は朝きて、夕方暗くなるまでいた人もいた。食事こそ出さないが、お茶をサービスするくらいはしなければならないし、対応には気をつかう。その日はその株主さん対応で1日が潰れることもある。東京にいる株式課の担当者ならそれが仕事だからいいようなものの、こちらは兼任、1日潰すのはシンドイ。

 そしてその為の資料も保存しておかなければならない。本店として常備する書類は法令で決まっているからだ。毎月、資料を整理し施錠して保管しなければならない。

この業務は本店のメンバーにとって厄介な仕事だが、法令に基づく重要な仕事、手は抜けない。

2011年11月3日木曜日

オリエンタルホテル   

 今は震災で潰れて無くなったが神戸には名門の「オリエンタルホテル」があり、当時その経営はダイエーに任されていた。

オリエンタルホテルは神戸とともにあった。
神戸に町が出来たのは慶応4年の幕府による開港、その前は勝海舟や坂本竜馬で有名な海軍伝習所しかなかった寒村、その海浜が明治になって列国に開放され外国人居留地なるものが出来た。その時、居留地に建てられたのがオリエンタルホテル。
当時の写真がある。西部劇に出てくる道路側にウッドデッキがあり入口があるウエスタンスタイル。ちなみに創業者は不明。その名門ホテルは時代とともに経営者がかわりダイエーが担当していた。株主は県や市、地元の著名人からなる株式会社。
前任の経営者が経費カットにつぐカットで設備はメンテナンスされず、従業員の待遇も最悪に近かった。それを立て直すべくダイエーから役員が派遣され何とか往年の名門らしさを取り戻しつつあった。
オリエンタルホテルは神戸の著名人が集まる場所、何かあればオリエンタルでというのが定番になっていた。
知事も市長も各企業の経営者も寄ってくる。オリエンタルホテルは神戸一の社交場。だから良く言われたのは「オリエンタルに一日いたら渉外の仕事は出来る」逆にいえばオリエンタルのロビーにいたら忙しい位、声をかけられる位にならないと一人前とは言えないのだ。


私も殆ど毎日オリエンタルへ立寄っていた。
ひどい時は朝オリエンタルへ直行し、朝食をオリエンタルで食べて(支配人からサービスを受けていた)一日中オリエンタルで仕事をしていた時もあった。ホテルの人からも色々と教えてもらいもした。食事のマナー、パーティーの仕方etc. それまでは安サラリーマンから一応のマナーを身に付けたシェルパになっていった。
よく色々な会合やパーティー会場として使用もした。中内学校・日米協会・商工会議所の会合etc.

そのオリエンタルホテルも今や震災で倒壊してない。
まったく別のホテルが建てられたようだ。オリエンタルの名前は震災直後にオープンしたメリケンパークオリエンタルホテルと新神戸オリエンタルホテルに引継がれている。

顔 役 !

これからは個人名をイニシャルで書くことにする。
対象者がまだ御存命だし、何かと差障りがある可能性があるからだ。
 神戸でTさんと言えば非常に影響のある人物、良くも悪くも無視できない人。顔役という存在か?
彼に何があるかと言えば単に「ウルサイ」だけ(言い過ぎ!)
彼は神戸では老舗になるが小さな商店の店主(社長)に過ぎず、資金力も何もない。 
ただ、情報量は並大抵なものではない。どこでどうして情報収集するのか知らないが、何でも良く知っている。当時の神戸を動かしていたといっても過言ではない。知事も市長も怒らせるとコワイから一目おいていたようだ。
神戸にはそのような人物が年代ごとにいる。彼の前にも彼の後にも同様な動きをする人がいる。地方都市の特性か?
 なんと当社の社長もこのTさんには一目置いている。
私が助かったのは何故かこのTさんに非常に可愛がられたことだ。
気が合うと言うか、ツーカーの仲になっていた。彼も私を上手く使うことでダイエーとの良好な関係を保とうとした。毎日のようにTELがある。つまらない用事から大問題までTEL魔でもあった。
何もない時は「昼メシ食おか?」てなこともあって豪華な昼食をご馳走になった。

 彼も神戸JC出身(理事長)・日米協会の役員・中内学校(囲む会)の幹事・商工会議所の議員等当社との関連も多分にあった人物だ。
 しかし、アクの強い方なので嫌いな人は大キライ、気心の知れた人は大好き。
困ったことに上司である常務はT氏とはあわず、Tさんも常務がキラだった。だから何でも私に言ってくるので常務に報告するにも気を使ったほどだ。しかし、全体的には彼のお蔭で仕事は非常に上手くいっていた。
何か新しいことをする時や、困った時は必ず相談した。逆に彼から困った要求もあったが何とかこなしていた。
 最終的に私がダイエーを辞める羽目になった時にも世話になったほどだ。
今はどうされているのか?