2012年1月4日水曜日

進路指導セミナーの講師

昔はこんなのでは無かったと思う。
ひょんなことで関西一円の高校をたずねることになって驚いた。

平成14年にイチケンを退職して暫く遊んでいた時の話。高校生向けのセミナーの講師の仕事があると聞いて応募した。
講義1回につき幾らと言う請負仕事、予定がある時はお断りもOKと言うのでヒマツブシにはうってつけだと喜んで応募。履歴書に以前ダイエーで人事・教育を担当していたと書いたので即採用した。 

具体的には高校3年で就職をする学生へ就職についての心構えを講義する講師。 決まった内容はないし、先輩としての体験を喋るだけでいい。しかし、時には就職試験(面接)のことやその実技指導も要求されたりした。

これを企画運営している会社はおもしろい。
事業内容は私立大学、専門学校の受験生への説明会(進路指導セミナーと呼んでいた)の企画運営。
昨今の少子化で受験生は不足ぎみ、各大学や専門学校は事前に受験生の囲い込みをしておきたい。その具体的手立てとして高校で無料の進路指導セミナーを開催する。各大学・専門学校から参加料(これが収入源)を貰いそのセミナーの企画運営をする。当日は高校を訪問し、説明用のブースを作り、各校から担当者が来て資料を配り入試の説明をする。出来たら願書まで書かせる。

高校側では無料で各校の資料や説明を受けられるとあって大歓迎。
しかし、ここで各高校が困ったのは就職希望者への対応、その時間就職希望者はどうするのか?そこで就職希望者へは「就職の心構え」の講義が必要となり、我々講師の出番となる。
高校によって進学率が異なるので進学校ではほんの数人に講師したことがあるし、就職希望が多い学校では200人位の時もあった。この講師を初めて2~3回までは事前にレジメを作り大変だったが、慣れてくるとパターンができその高校の実情を聞き即対応出来るようになった。
関西、大阪がメインではあったが、四国・徳島や名古屋方面に出張することもあって楽しかった。

そこで気づいたのは各高校のレベルの差、公立・私立を問わずそのレベルは千差万別。
大阪の名門校へ行った時は「さすが○○高」と校門をくぐった瞬間にその伝統を感じた。校門から玄関までがキチンと清掃され植木も葉刈りされている。玄関の受付の対応も立派。
一番ヒドイ学校はTVドラマでも見られないヒドサ!
まず、玄関に入って「エッ」と驚いた。なんと女子学生がガムを噛みつつ玄関先に寝転んでいる。先生らしき人が横を通っても注意もしない。掃除もぞんざい。
講義が成り立たないことも行くたびかあった。教室がざわついて話にならない。そんな時は一方的に講義してオシマイにするに限る。妙な正義感は不要。なにせ、同席している先生が申し訳程度に「静かに」と言うだけ。静かにはならない。

一度、こんなこともあった。
講義が初めて気がついた。後ろの方の席でなんと弁当を食っている。たまらず注意したらその生徒曰く「怒られた。怒りよった」と。
私にではなく担当の教師に抗議する。ここで私の一言がいけなかった。「弁当は教室外で食べろ!アホ」・・・「アホ」は余分だったが口癖だ。
この高校のヒドサはこのことについて講義終了後ナニの対応もなかったこと。そしてその後会社に高校から抗議めいた電話があったとか。そして会社からは「過激な発言は慎んで欲しい」と言われ辞職してほしいような感じだったので即辞めた。民間企業はツライものだ。
ヒドイ高校の現状を親は知っているのか?
教育者ではないからこれ以上は何も言わない。

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