2011年10月10日月曜日

寄付金の依頼   

 各種団体や行政等からの寄付金の依頼も多かった。
その為予算を2億円ももらっていた。寄付の依頼者は「ダイエーさんやから」と期待して来るが、いかんせん超ドケチな会社なので99%はお断り。

 先方はダイエーが出すと他社へ依頼しやすくなるので大概はイの一番に持ってくるが、そうはいかなかった。最初のころ寄付を断るのはイヤだった。出来れば気持ちよく出してあげたい。しかも金額が小額の場合「こんな僅かでもださないのか」と思われるのもケッタクソ悪い。
 でも、判ってきた。ダイエーは売上1兆円を超す東証一部上場の業界トップ企業、しかし内情は創業者社長である中内氏の個人商店。従って社長は会社のもの全部「オレの物」と思っている。中々理解しずらいが、ボールペン1本から店舗まで全て社長のモノの発想が必要。つまりは例え1万円の寄付でも彼の財布から出ていると思わねば。個人的には1万円出すか否か? 価値のない寄付は絶対にしないが価値のある寄付は1億(担当した最高額)でもする。 
 しかも 当時の売上高利益率は1%に満たない低水準、100円儲けるには1万円の売上げが必要、高利益率の企業とは異なる。10万円寄付するとその百倍の1000万円の売上げが必要、これは中規模の店の1日の売上げに相当する。よくよく考えないとお店にも迷惑がかかる。
中内商店たるところは、その決済にもある。
社内の決裁基準では部長職の私が10万円、室長(常務)に至っては3000万円の寄付金決済権がある。
しかし、たとえ5万円の寄付でも社長に報告した。それには何事も神戸のことは報告と言うことと、もう一つは個人商店的発想からだ。 確かに、常務は細かいことでも報告していたようだ。手書きしたメモをFAXで。 手書きの意味は二人だしか知りませんを証明するもの、当時出回りだしていたワープロなど考えられない世界だ。
ダイエーの社員と言うより中内さんのパーソナルスタッフみた!

寄付金の依頼は数えきれなくある。色々、貴重な体験をさせてもらった。
秘策もあった。 
この寄付はまず難しいなぁ・・・?でもした方が良いし・・・? と思う寄付に   は秘策があった。
まずは奉加帳(寄付のリスト)を見せてもらい、神戸4社と調整をする。どこもイの一番に手を上げないので所謂「ツルム」のだ。4社中、2社が同調すれば対抗上必要と報告する。良い意味での談合だ。
ないしは、その寄付の中心になっている人物から直接コメントを貰いその旨、報告する。「あの人が言うなら・・・」と賛同の方向に持っていく。
・・・てなコトもよくしたもんだ!

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