2011年7月11日月曜日

ママと乳がん

妻・優子は乳がんが元でで亡くなった。
あんなに元気そのものの彼女が!
最近、乳がんにかかる人が多いように思うが、乳がんでは死なない。
がんで死ぬのはがん細胞が臓器を犯すからで、乳は臓器ではない。(子宮も同様かもしれない)しかし女性にとって育児に必要なものではあるし、女性をシンボライズするものでもあることも事実で重要な肉体の一部ではある。だから女性にとっては非常に大切なものであることは間違いない。
そのことを知ってか妻が乳がんと診察された時、彼女は乳がどうなっても良いかと私にたずねた。彼女は乳がんに正面から立ち向かおうとした。信仰的な理由もあって彼女は乳がんの手術や抗ガン治療を拒み、乳がんと一生付き合うことにした。他の臓器に転移しなければ生きられる、乳がんと共に生きる。非常な覚悟だったと思う。
乳がんは勿論、女性特有なガンだ。だから女性ホルモンのバランスを変える(つまりは男性化する)と乳がんは治まる(小さくなる)これで彼女は12年生きた。医者も「学会で発表したい」と言うほど驚いていた。(学会で発表には初期の写真等がなく出来なかったが)
転移を抑えることは出来ないが、小まめな診断で転移の早期発見は可能で、月1回の診察でそれを乗り越えた。10年以上、毎月病院へ行き二人で医師の診断結果を聞き対応するのが習慣だった。
彼女はよく頑張った。「頑張る」と言う言葉と「闘病」と言う言葉が嫌いだったが。自身「遊病」と呼んでいたほどだ。
しかし図らずもガンは脊椎に転移して歩けなくなり、寝た切りになっても彼女は気丈だったし明るかった。
遊病生活が幸せだとさえ言うので看病する側も気が楽になった。そんな彼女を看ていると看病も楽しく(?)毎日が充実していたように思う。(看病は1年半続いた。医師は余後3カ月と言ったが)
でも、もう少し生きていて欲しかったなぁ。ずっと看病生活でもいいから続いて欲しかった。
最終的には脳にガンが転移し、4年前の朝アッと言う間に彼女は眠るように息を引き取ってしまった。何も言わずに・・・。
ボクが愛した、愛してくれた優さんは天国に行った。
今、思うにボクにとって過ぎた伴侶だった。

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