2011年12月28日水曜日

上海自動車産業視察団  ③

・・・続き。
二日目以降は自動車部品屋さんの工場視察。
今回の旅行はスケジュールが知らされていなかったのでやや不安。

まずは常州市役所を表敬。
市長は不在だったが副市長が出てきてご挨拶。TVニュースなどで見る大きな中国型の応接室、椅子はコの字型に並んでいて向かいの人とは話も出来ないほど遠い。K女史の顔をたてた表敬だった。副市長はK女史を「市の誇り」と褒め称えていたらしい。

その後、自動車工場団地地区へ。
中国は土地所有が認めておらずこのような工業団地を作る場合。地図に自由に線を引いてその中の農民を他の農場へ強制移住させるだけで済む。 風景的には農業地帯に忽然と近代的な工場が現れる異様な風景。
途中の町は西部劇に出てくるように平原にポツンと現れる。これも地方の町はハッキリ言って汚い。雑然。

で、工場視察。
自動車工場と言っても部品屋さんばかり、当社はベンツ社と取引しています。当社はBMWと・・・と言ってもセイザイ車のヘッドライトだけだったり、ドアノブだったりで自動車そのものではない。でも彼らは自動車業界だと言う。
どこへ行っても社員総出で熱烈歓迎。
ある会社などは正門前に社員が整列してお出迎え、ナニ様でもないのに。何か勘違いしていないかフト心配になる。またどこへ行っても例のショックアブソーバーの話はない。歓迎されて悪い気はしないが、大げさすぎてすこし不安になる。
工場のボードに「7%」と書いてあったのでナニの数字かと聞くとロス率とのこと。7%とはなんと信じられないロス率、これでも儲かっているらしいから驚き。

二日目はそう言った視察ばかり4社ほど訪問した。
昼飯は途中のレストランで、外見はみすぼらしい店に案内されるが、店内は素晴らしい装飾。外見もキチンとすれば良いのに。そして昼からフルコース、勿論のこと酒つき。これまた非常に旨い。

夜は夜で上海で一二を争うという料理店へ。
そこにはK女史の同級生だった上海市交通局長が待ち受けていた。
上海市1300万人の交通を抑える大物だ。でもさすが上海、彼はポロシャツ姿でどこにでもいるオッチャン。
はてここは誰の奢りなんだろうか?
果して、宴席に知らない人物が次々にだ入りする。聞くと運輸関係の業者らしい。交通局長が来ていることを聞きつけて差し入れ(大概が酒)を持って局長に挨拶にくる。局長もそれを当然のごとく受ける。そのたびに話が中断する。ゲスト(?)たる我々を無視した行為にチョットがっくり!

そして食後、局長曰く「三番目の妻が足指マッサージをしているので行こう」三番目の妻にもビックリだが、公務員がアルバイトしている。 さらにカラオケへ。ここもその三号さんがやっているとか。

そして三日目は観光・ショッピング・・・?
ショックアブソーバーはどくへ行ったんだ!聞くと今夜ミーティングがあるという。
夕食後、やっと商談的な話。
概要は例のショックアブソーバーをコピー生産したいので手を貸して欲しいとのこと。生産と言ってもPatentはどうするのか? ここでビックリ発言「Patent無視して良い」と市の書記から言われているから大丈夫だと言う。
Patentはジープ社か三菱から借りないと生産してはいけないハズ。中国共産党書記がいかに偉いかは知らないが国際条約違反になる。中国側良くても我々は手が後ろへ回る。
話は技術的なことではなくここで暗礁にのりあげた。話はまとまらない。明日は帰国の予定。
こうやって中国と言うのは統治されているのかと実感する。国際的なトラブルが絶えないのが良く分かる。

こうしてタダの上海ツアーは終わった。
ナニの成果もない。K女史に聞くと「彼らは招待した。日本の業界人を知っている」というだけでその目的の半分は達しているとのこと。
最後に重要なのは「礼状」。 形式ばった礼状を書き送る。 肩書きは「神戸商工会議所・会員 K」、エッ会員って肩書きなの? それで中国の田舎はいいらしい。
未だに何がナニだかわからず仕舞い。
料理が旨かっただけ。

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