2011年12月29日木曜日

社長巡回

またまたダイエー時代に戻る。

社長は時間があれば店・現場を巡回する。
創業者にありがちな「会社のものは全てがオレのもの」と言う意識があるからだと思う。
それ自体が悪いことではないが巡回される方は大変。少しでも良く見られたいし、前回の指示事項は改善できていないといけない、ましては注意・指示されても困る。
だからダイエーの特質としてそれぞれの責任者は社長の動向に常に注意をはらっている。

神戸に来られる時は分刻みのスケジュールがわかっている。
社長はスケジュールを知られることを嫌がるが、同行秘書は一人なのでこちらにサポートを頼む為に漏らしてくれる。秘書が手帳をチラッと見せてくれるのを見て覚える。ポイントを把握して対応すべきは対応する。要は巡回先へヒントを漏らす。
一番困るのはアキ時間があること、チョット巡回ということが多々あるので可能性がある時は変な言い方だが「警戒警報」を関係する店・事業所に漏らす。それもハズレが多いとオオカミ少年になるので、ある程度カンも必要。
他社の人には何故同じ社内で?と理解できないだろうが、これが現実。突然の社長巡回でミスが発覚して左遷はおろか解雇もあったのだから。

一番困るのは神戸を出て東京へ戻る道すがらだ。
神戸・伊丹間には店舗も多いし、事業所も沢山ある。飛行機に乗られるまで気が抜けない。本店といえども例外ではない。
ある時帰路の車中からTELがあった、道路沿いに空き地を見つけその情報が欲しいとのこと。東京に着くまでに報告するようにとの指示。
2時間くらいしか猶予はない。走り廻って情報収集。オフィッシャルな情報は任せて、囲む会の情報通に問合せをする。こんな時も囲む会のメンバーやJCメンバーの情報が役に立つ。ウラ情報まで彼らは精通しているからだ。
そして何とかレポートを纏めてFAX.指示を待つ。
社長に報告した内容を関係すると思われる部署にもインフォーマルに流す。でないと該当部署は即対応できないからだ。
このスピードがダイエーを支えていたのだとも思うが、担当部署は大変だった。
その社長もいまや故人、懐かしいと言えば懐かしい。

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