2011年8月30日火曜日

1000ケース事件

池田店は非常に売れる店だった。
特に売出しセールでは信じられない数量がでた。池田市民、全員が買ってくれている自負と責任があった。

「商売の基本」は信用。
その昔、商(インの別名)の国の人が毎月日を決めて物を売っていた。○○市の始まりだ。 商の人は決まったものを決まった日にまじめに「商売」をした。以降、物を売ることを「商売」と言ったとか。
つまり、商売の基本は買い手であるお客様の期待を裏切らないこと。決まった日に決まった物をキチンと売る。信用第一、これにつきる。

・・・とは少し違った話。
ある担当者が売りだしの醤油を1000ケース売りたいと言うので許可した。
醤油1ケースは15本、1000ケースで15000本、まぁそれ位は売れるだろう。
それを聞いた別の担当者達は自分も担当の商品を1000ケース売りたいと競って1000ケース注文した。売る気があることは良いことだ。
しかし商品によって1ケースの入り数が異なる。
インスタントコーヒーは24本、砂糖なら20袋、ビスケットは30個だ。だから同じ1000ケースでも総数は違うもんだ。
ところが、1000ケース競争に触発されたある担当者がインスタントラーメン1000ケースを発注した。

因みに池田はインスタントラーメン発祥の地、インスタントラーメンの発明者・日清食品の安藤百福社長の自宅は店のすぐ裏にあってラーメンに対する思い入れは異常なものがあった。(今のラーメン博物館)
でもインスタントラーメンの入り数はケース30袋。
しかもそれを3ケースを一括りにしたものが1発注単位だった。つまり1000ケースは30×3×1000=9万食。池田市民全員に食べてもらってもおっつかないかも! しかもかさ張る商品だ。50cm立方位なのが1000、発注を許可した主任たる私の責任。
トラック2台で納品された時、みんなビックリ。
でも返品は出来ないし、出来たとしてもプライドが許さない。シコシコ売っていった。1カ月位かかったのを覚えている。
古き良き時代だった。

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