2011年11月4日金曜日

株主対応   

  企業の本店としての主たる業務に「株主対応」がある。

 法律上、本店とは主たる事務所ということになっているので当然の業務だ。

 ダイエーの本店事務所は神戸だが、それは法律上、名目上で主たる事務所は東京にある。
そのことを大概の株主さんはご存じだが中には知らない株主さんもおられるし、又そのことを知っていてワザと神戸にやってくる株主さんもいらっしゃる。株主の権利は持ち株数によって異なるが、例え千株の株主さんでも株主さん。対応はキチントしなければならない。

 株主さんと言っても色々あって、我々が困るのは「特殊株主」さん、昔風に言うと「総会屋」。それと他意はないがマニアックな株主さんの2種類だ。

 私が担当した時代、いわゆる総会屋さんは少なくなってきている時代で総会を混ぜ返して金にしようとする連中は極稀だった。
しかし、マニアックな株主さんはいなくならない。全く合法的で排除する理由がないからだ。
彼らは、突然現れる。何のアポもなしに「株主の○○だが・・・」と本店を訪ねてくる。
  本来なら「ホンマに○○さんですか?」と確認しないといけないのだが、彼らは「オレは株主、一社員がそんなこと聞くな! 失礼な!」と思っている。一応株主名簿を確認はするが来られている方がその○○さんか否かは調べようもない。
 彼らは「あれを見せろ、これはどのようになっている?」と資料を要求する。株数によってその権利が制限されているのでお断りしても良いのだが、波風の立たないようにしないといけない。よほどのことがない限り閲覧して頂く。
ひどい人は朝きて、夕方暗くなるまでいた人もいた。食事こそ出さないが、お茶をサービスするくらいはしなければならないし、対応には気をつかう。その日はその株主さん対応で1日が潰れることもある。東京にいる株式課の担当者ならそれが仕事だからいいようなものの、こちらは兼任、1日潰すのはシンドイ。

 そしてその為の資料も保存しておかなければならない。本店として常備する書類は法令で決まっているからだ。毎月、資料を整理し施錠して保管しなければならない。

この業務は本店のメンバーにとって厄介な仕事だが、法令に基づく重要な仕事、手は抜けない。

0 件のコメント: