2011年11月27日日曜日

芸は身を亡ぼす。

一芸に秀でた人は尊敬に値する。
芸というほどのものではないが、他の人が出来ないことが出来た為にエライ目にあったことがあった。「芸が身を亡ぼした」話。(ダイエー時代のコト)
ワードプロッセサーが開発され出回りだした頃の話。
富士通のOASYS、1台160万円もしたが、さっそく各部に1台導入された。
当時、ワープロは文書を清書する器具のような扱い、だからか導入された時は女子社員やパートさんにのみワープロ講習があった。私は興味があったのでヒマな時に彼女らから手習いを受けマズマズ打てるようになっていた。これが大変なことになるのだ。

改装担当がある店の改装計画をまとめていた。

非常に古い店で商圏が大きく変化し不振店になっていたのを全面改装して出直す計画だった。何度も社長にプレゼンするが中々OKが出ない。
明日が最終プレゼンの日。改装担当はネジリ鉢巻き、しかし終業時間までにプランが固まらなかったようだ。終業時間には女子社員が退社する。まとめて清書する人がいなくなる。
そこで何の気なしに「手伝おうか?」と言ってしまった。多分、社長用の資料をきれいにワープロ化するだけだろうと思ったから。

それが甘かった。

まだ最終案を本部長にみせていなかったとのこと。7時頃になって本部長に見せることに、しかし本部長は中々OKしない。再度、検討に。行きがかり上、中身にまで首を突っ込むハメになる。

改装コンセプト・商圏分析・売場展開方針・売場レイアウト・売上試算・投資回収試算etc.全てを見直した。終わって本部長に見せたのが夜の10時頃だったと思う。ひょっとして徹夜になるかも?と変な予感! 社長プレゼンは明日の朝8時、それまでには絶対完成させなくては! 突然、本部長が本命のA案をやめてB案をメインにしようと言いだした。案はA案・B案・C案と改装計画は3案あった。そんな今頃になって・・・!
各案を並べ替えて整理、試算もやり直し、それを清書しなければならない。試算も変わってくる。私は案の下書きが出来ないとワープロ化出来ない。ようやくその整理が出来て本部長がOKしたのが12時頃だったとい思う。
それから資料の清書、ワープロ化が始まった。そこで気づいたのが数字の誤差、A案とB案を差し替えたので数字が合わないのだ。再度計算し直し。
最終、プレゼン資料が出来たのは3時頃。結局徹夜した型に!
あぁあ、気軽に手伝おうなんて言うんではなかった。
「芸は身を亡ぼす」だ!
そしてオマケがある。
社長にプレゼンした結果、やはりNGに。
そこまでは「まぁ仕方がないか」ですまされるが、同席した改装担当が申し訳なく小声でいった「森本さんが作った資料ですが、社長は見もせずに破って紙吹雪にしちゃったんです」と。
笑うしか手がない・・・!
社長ならやりそうなことだ!

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