2011年11月24日木曜日

丑の日は

店の営業次長時代の話。
土用の丑の日、うなぎの厄日。
私は食品出身といっても一般食品という加工食品担当、味噌や醤油といった調味料やお菓子や珈琲・紅茶といった嗜好品の担当。魚屋のことは殆ど知らなかった。

土用の丑の日は年末と並ぶ鮮魚課の一大イベント。
そして鮮魚課にとってはどれだけ売るかが各店間の競争。一位になっても何も賞品はでないのだが、だれしも同じ売るなら社内一位になりたい。社内一位は恐らく日本一だからスゴイ称号になる。驚いたのがこの単位がトン(t)なのだ。

準備は数ヶ月前から始まっている。
当時の主流は白焼きの冷凍を店でタレをつけて再度焼きをいれる方法。だからかなり前から冷凍うなぎを発注しておかないと材料がそろわない。しかも当時は台湾製の輸入なのだ。
店では追加の焼き台を導入、冷凍庫は他の課のものまで借りて店内うなぎだらけ。タレの缶だけでもナマジじゃない。
そして半解凍にしておかないと当日間に合わない。これはかなりの経験が必要な仕事。全く知らない次長としては鮮魚課の主任に全権委任、かなりの無茶をするから責任をとるのが次長の仕事。第一、就業規則や店内規則違反。出勤は朝4時、朝食は持込み、全てがうなぎ中心に!

前日、深夜まで準備して次の日は鮮魚課の男子は4時出勤、直ぐに焼きにかかる。
店内が食欲をそそるうなぎの匂いで充満。解凍の担当、焼く人、冷ます人、パック担当、陳列する人それぞれが一所懸命。その姿は素晴らしい。一応、売場に陳列が完了するのが7時ころ。やっと朝食、まだだれも出勤していないから作業場でうなぎを丸かじり、慣れたものでみんな白メシしか持ってきていない。オカズは焼きたてのうなぎがあるからいらない。こんな時食べるメシが一番うまい!
それから焼き貯め用の焼きにかかる。10時の開店時には予想売れ数の殆どが作業終了、後は様子を見て追加への対応。

因みに同日の売上は上がらない。
何故なら他の食品、魚や肉が売れないから痛し痒しだ。まぁ、一大イベントだと考えないとやっていけない。

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